年間108の業務改善を爆速で実現する企業の話

全社員を巻き込んで業務改善プロジェクトを成功させる方法を学ぶ 〜改善のタネを大きく実らせる“巻き込み力”の秘密〜

建築技術者派遣の業界最大手として知られる株式会社夢真。
年々業績を伸ばすその飛躍を支えるのは「業務改善への極的な姿勢」と聞いたBack Office Note編集部は、さっそく取材へ。
夢真の業務改善実績数は1年間でなんと108件!
驚きのボリューム、驚きのスピード感で業務改善を成し届け続けるその秘密とは? 
「改善ポイントの見つけ方」「実現までのスピード」「障壁を乗り越える方法」「実践促進・周知法」「改善していきたくなる環境づくり」
業務改善のPDCAを回すために重要となるこの5ポイントを中心に、業務改善を担う経営企画部の次長・永井武さん、今まさに人事制度・教育制度の改善に取り組んでいる人事部次長の田中裕志さんに、お話を聞きました。※以下敬称略

■業務改善のタネは、マニュアルの中じゃなく、○○にある!?

Q. 業務改善には課題設定が肝ですが、そもそも改善ポイントはどのように見つけるのですか? 

(経営企画部)永井:「現場に聞く」これに尽きます。困り事や改善アイデアはやはり当事者が痛感しているもので、いかに“現場の本音”を吸い上げられるかが鍵。
アイデアは定期的にメール・社内掲示物でも募集しますが、並行して生のコミュニケーションをとります。つまり各部署に実際に足を運んで “聞き回る” んです(笑)。「困っていることありませんか?」と……。最初はなかなか意見が出てきませんが、コミュニケーションを重ね気心が知れてくると、現状に立脚したアイデアがポロポロとこぼれてきます。それが業務改善のタネになります。

Q. 実情を知ることが大事ということですね。他に協力を得やすくする工夫は?

永井:業務改善といっても、簡単に解決できるものもあれば時間と予算をかけなくてはならないものもあり、その両方とも大事です。でも社員からすると「どの程度を提案すればいいのだろう?」と躊躇しがちです。ですので、現場発で改善したアイデアを定期的にメールで周知しています。大小さまざまな内容を公開するので、「どんな小さなことでも言ってもいいんだ!」と感じてもらえるのではないかと思います。

■できるものはイチ早く取り組む。スピード感が業務改善の機運をうむ

Q. 業務改善案から実際にプロジェクト化するのにどのくらい時間がかかりますか?

永井:すぐ部内で検討して、改善に取り組むor見送るをまずジャッジします。遅くとも翌週には結論を出しますね。

Q. スピーディですね! 実現するまでのフローを教えてください。

永井:費用対効果、時間的コスト、実現可能性、見込まれる改善効果等、様々に調査・検討します。部内で「改善すべき」「効果あり」と目処がたったら、2週間に1度行われる社長会議で報告し、OKが出ればその日のうちに本格始動! 当社は変化への対応力が柔軟というか、改善はウェルカムという社風で、社長の判断もスピーディなんです。

■立ちはだかる改善の壁。近道をとらず正攻法でクリアする

Q. とはいえ変化に前向きな人ばかりでなく、なかには改善案に反対する人もいるのでは?

永井:おっしゃるとおりです、合意形成が欠かせません。まず関係部署の責任者を集めて、課題や懸念点、改善方法についてミーティングを行いますが、ポジティブな反応ばかりではありません。なかには「面倒くさい」という声も。
やはり“納得感”がないと結局は失敗しまいますからね。改善後の効果に期待し納得してもらえるように、100個でも1,000個でもメリットを言えるようにすることが私たちの1番の役目と言えるかも(笑)。説明会の前に十分検討を重ねているのできちんと説明しきる自信があるんです。

Q. トップダウンで押しつけては、“やらされ感”が出てしまいますもんね。納得感を持ってもらう方法を教えてください

永井:単に言葉を重ねるのではなく、メリットの定量化・数量化を意識しています。「○円の経費節約になる」「○%手間の節約になる」と数字を言うとイメージしやすくなり、大抵の場合は納得してもらえますね。

■“見える化”で意欲向上へ。アイデアの行く末を共有し、報奨金で激励も

Q. 社員のみなさんの意識も変わってきたのではないでしょうか?

永井:そうですね。先にも述べたように改善案の進捗・結果報告を定期的に行い、さらに改善につながった発案者には報奨金を出すことで感謝の思いを示すようにしているんです。改善へのモチベーションアップに一役買っていると思います。

Q.自身の案が業務改善につながって、さらに報奨金まで出るならいいことづくし。自然と改善点を探す視点・姿勢になり、“好循環”が生まれそうですね!

永井:公平性と透明性が大事かな、と。報奨金を出す基準もルールを決めて公正に運営していますし、逆に案を採用できなかった場合は、発案者本人に見送りにした理由などもきちんと伝えます。一つひとつのアイデアを大事にする姿勢をわかってもらうことで「どんな小さなことでも意見を出していいんだ。変わるんだ」という雰囲気が全社に広がることにつながりました。実はこの報奨金も社員から上がった案をもとに制度化したんですよ。

◆社員から発案され実現に至った改善案の一例

・社外にいる5000人の社員の勤怠管理・集計を紙からWEBへ
・郵送で行っていた社員5000人へのアンケートのシステム化
・AIを導入して、退職者を予測。離職防止対策
・フリーアドレス導入により、社内コミュニケーションを活性化
・RPA (ロボティック・プロセス・オートメーション) を導入して、単純作業を自動化

■“改善して終わり”にしない!効果検証までがプロジェクト

Q. うまくいかなかったり、現場が混乱するケースもあるのではないでしょうか?

永井:“改善して終わり”にしないのも大事なこと。KPIを設定して改善後の効果検証、必要に応じて見直しも行います。望む効果が出ていない場合は元に戻す、別の方法をとることも。
たとえば、業務改善の一環で各自のデスクを定めない「フリーアドレス」を本社で取り入れたんですね。私たちの部署では各自の整理力が促進されたり、コミュニケーションが増えたりして、大きな効果を得られたのですが、部署によってはそうでもない場合もあります。改善を一律に適応するのではなく個別に適した方法に変えていくことも業務改善のための重要なポイントです。

■双方向性・公平性のあるコミュニケーションで、社員の満足度を上げていく

Q. 社員のみなさんは、会社がよりよく変わっていくと実感しているのでしょうか?

(人事部)田中:良い方向に変わっていくという、意識のすり合わせはできているように思います。行動指針を刷新するなど、会社が変わろうとしているメッセージを明確に出しているので、本気度は伝わっている感覚がありますね。
現在、教育・人事制度の大改革にも着手しています。永井の話とも重なりますが“不公平感”といった負の感情が業務の妨げになってはなりません。努力・成長する社員にきちんと応えるための制度改革を進めているところです。

(経営企画部)永井:顧客先に派遣されて働く社員も多く、顔を合わせられない現状もあります。気持ちの機微が伝わるツールを採用するなど、今後ますます社員が増えてもきちんとフォローできるように、効果的な方法を増やしていこうと考えています。

■転換期を迎える建設業界のためにできること

Q. これからも大小さまざまな改善を行っていく上での目標をお聞かせください。

永井:現在8,000人強の社員がさらに増えて事業が拡大することを見越して改善に取り組んで行かなくてはと思っています。まずは会社の規模が大きくなっても、少人数で効率的に管理できるシステムを早く構築したいですね。DX(=デジタルトランスフォーメーション※)を念頭に、今後はAI活用等も積極的に考えています。
また、建築業界の中にも改善の視野を広げていきたいとも考えています。高齢化が見込まれる建築業界で、弊社の技術者派遣業務はますます必要とされるでしょう。顧客が望む技術者をすぐに見つけられるデジタルシステムなども念頭に、業界の発展にも貢献していきたいですね。

※デジタルトランスフォーメーション:ITの浸透が、 人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念

編集部より

透明性・公平性・双方向性、そして現場感。
一方的ではなく、“納得感”をキーワードに、人をうまく巻き込んでいくコミュニケーション、姿勢が、業務改善のカギと感じました。
現場社員と向き合い、改善のタネを見つけ育てていくプロセスは、多くの企業にもヒントとなるのではないでしょうか?

株式会社夢真の行動指針は、「固定しない」ことをテーマに、「ゼロベースで考える」「現状に満足しない」など定めたものだそうですが、まさに有言実行! 改善を前向きに進めている様子がよーくわかりました。 (ちなみにこの行動指針も、社員達の話し合いによって現場発で編み出したそうで、実行力の理由はここにもあるように感じました)。

■インタビュー協力

永井 武 さん
2018年9月株式会社夢真ホールディングス入社
2019年10月より経営企画部で社内の業務改善に取り組む
釣りが趣味の優しき二児のパパ。お仕事のモットーは「自分自身の成長と周りとのコミュニケーション」

田中 裕志 さん
2018年12月株式会社夢真ホールディングス入社
2019年2月より人事部で人事制度の整備に取り組む
平日は毎朝お子さんを保育園に送ってから出社、毎週土曜はMBA取得のために大学院に通う、バリバリ系ビジネスマン

株式会社夢真 YUMESHIN Co., Ltd.
所在地:東京都千代田区丸の内1-4-1 丸の内永楽ビルディング22F
グループ企業:7社 従業員数:5,514人
事業内容:建設技術者派遣事業、施工図作図事業
公式HP:https://www.yumeshin.co.jp/yumeshin/

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